2026-08-06 01:15出張して震え上がった場所(SM奇譚 創戯旅団 第349夜)





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SM奇譚 創戯旅団 第349夜 深夜のほんとうにあった怖い話-Night.1-出張して震え上がった場所
※2026年08月06日00時44分【Livedoor、Ameba、FC2初稿】
※2026年08月06日00時44分【note無料投稿】
①神社下のアパートで体験したほん怖
これは私が神奈川県の鶴巻温泉近辺のアパートに出張した時の話だ。まだ第一期の頃の話なのだが当時のNo.1だったりゆさんと小田急小田原線鶴巻温泉駅近くにある2階建てアパートに出張した時の話だ。そのアパートは比較的に新しく綺麗なアパートで、本来であれば怖さなど微塵も感じないであろう綺麗な建物だった。ちょっと普段と違ったのは、そのアパートの横が神社だった事と小山の上に神社があり、長い石畳の階段があり、夜はその階段が街灯で照らされて不気味な輝きを放っていた事を今でも鮮明に覚えているのだ。キャストさんも出張先も現実に存在していた源氏名と地名が語られている時点で、これが実話であると察して欲しい。幽霊が見えたという類の話ではない。シチュエーションが不気味過ぎて恐怖を感じた話だ。シチュエーションだけが不気味に記憶に焼きついている。読者の方も経験した事があると思うが、身の毛もよだつ場所に身震いした経験は誰にでもあると思う。私の中学時代の話だが千葉県市川市の私立中学校に通っていた私は、平将門の首が飛んできたと言われる言い伝えがある『八幡の藪知らず』の前を通りがかった事が何度もあった。一度入ると出て来れなくなると言い伝えられるその場所は、市川市役所の斜め横の成田街道沿いにあった。どこからどう見ても怖いシチュエーションとは程遠い場所にあった。しかし、どれだけ晴れていても『八幡の藪知らず』の前だけは薄気味悪いほどに薄暗く陽が射さない不気味な場所だ。『八幡の藪知らず』の中には、この場所に入ると出れなくなると言い伝えがあります!と立て看板が建てられていた。当時中学生だった私は、怖くて『八幡の藪知らず』の中に足を踏み入れる事はしなかった。呪われると本気で信じていたからだ。そして、この鶴巻温泉近くの神社もまたそんな不気味さを醸し出す場所だった、私はよりによって深夜三時に神社の小山の麓の舗装された小道に車を止めてりゆさんを待つ事になった。怖さを増幅させたのは、そんなタイミングで耳鳴りがした事も原因ではあった。誰も歩いていない道からはコツコツコツと女性のヒールの音の様な音が聞こえていた。もうこれだけで涙目になる怖さだ。そんな中で私の車の後ろのドアが突然開けられた。私は心臓が飛び出るくらいにびびったのだが、ドアを開けた主はりゆさんだった。まだアウトコールを掛けていなかったので、突然の出来事で震えがった。りゆさんは開口一番『今日は前に座って帰って良い?聞いて欲しい話があるの?』とだけ言うのだ。大丈夫だよ!と答えて私はりゆさんの話を聞く事にした。客が嫌な客だったのだろうか?私は帰りはりゆさんをなだめながら帰る感じかな?と考えた。ぽつりぽつりとりゆさんが話し始めた内容は、プレイ中に窓越しに赤ん坊の鳴き声がずっと聞こえたと言うのだ。窓を閉めていても聞こえてくるのだから、相当に大きい声で泣いていたと思われる。りゆさんが窓を覗いても該当する様な家もアパートも無いように思えて気味が悪かったので『早く出てきたの!』と怖い思いをした人独特の身震いをしながら、真剣な眼差しで語ってくれたのだ。ちょっと待った。おかしいな。私は二十分ほどアパートの横に車を止めていた。その話が本当なら、私にも赤ん坊の泣き声が聞こえてないとおかしいと思われた。しかし、私は赤ん坊の泣き声を聞いてはおらず。不気味な耳鳴りとコツコツコツとずっと聞こえてくるヒールの音を聞き続けていた。私もりゆさんもシチュエーションだけで震え上がる思いをした体験になった。その後もそのお客様から何度か電話がかかってきていたと思う。しかしあまりにも怖過ぎたので毎回ノータイムでお断りしたのを覚えている。それが、夏の夜の話だったから余計に怖さを増幅させたのを今でも覚えている。これが私が体験した一つ目の恐怖体験だ。
②冬の御殿場で深夜に体験したほん怖
今回の恐怖体験の中では一番何も起こっていない話だ。しかし物悲しさだけで10年以上私は薄気味悪さと悪寒が残っている恐怖体験を語りたい。これも第一期にりゆさんと経験した話だ。ある日、御殿場で遊びたいと新規のお客様から電話があった。御殿場は厚木エレガンスのある神奈川県厚木市から東名高速で名古屋方面に向かって1時間30分弱走った場所にある。静岡県の最北端、神奈川寄りの山の上にある地方都市だった。神奈川県側の南端は箱根山。箱根も御殿場も富士山のお膝元と言える。そんな場所から、冬のある日の夜半に電話がかかってきた。遠方だけにすっぽかし防止の為に、ラブホテルの在室確認を取ってから現地に向かい、プレイが始まったのは夜の23時前後だったと思う。3時間以下のコースでは遠方は受け付けない関係で、この日も3時間コースで呼ばれていた。ラブホテルは東名高速のすぐ横に有り、畑の中にポツンと佇んでいた。モーターホーム型の横長のホテルで、厚木には3軒もあるホテルだ。ここまで具体的説明を絡めているのだから実存するラブホテルだと信じて貰えるであろう。私は3時間の待機時間はコンビニの駐車場で寝ていたのだが、アウトコールを掛けると1時間延長だと言う。私は近くのコンビニへ戻り再び時間を潰してから、ラブホテル横でアウトコールを掛けた。するとまた1時間延長だと言うではないか。せっかく静岡県まで遠征しているのだ。5時間ロングに化けたのは喜ばしい事なので、私はコンビニで軽食を取りながら待つ事にした。物悲しい深夜の御殿場にはいつの間にか雪が降り始めた。御殿場は夏は雨、冬は雪が降りやすい地区である。カクテル光線に照らし出される粉雪は神秘的な美しさを演出したが、同時に静かに降る粉雪が物悲しさと不気味さを醸し出していたのも否めない。私は暗い畑横の小道に車を止めて、りゆさんの上がりを待っていた。2回目の延長の時間を終えてようやくりゆさんは出てきたのだが、その頃には畑に雪が積もり始めていたのが印象的だった。ただそれだけの事だったのだが、私達はその夏に鶴巻温泉で怖い思いをしている。その続きの不気味さだったと説明すれば、怖さを実感して頂けると思う。帰りの東名高速は雪でスピンしない様に慎重に運転しながら厚木へ帰った。東名厚木ICを降りた頃には完全に夜が明け、厚木市内は晴れていたのを覚えている。あの御殿場出張は異世界への出張だったのではないかと今では感じているのだ。
③年明けの夜、小雨が降る中、寒川の幽霊屋敷ホテルへ出張したほん怖
御殿場出張の後、年が明けた頃のある日の事だ。私はやはり夜半にりゆさんを連れて高座群寒川町にある潰れそうなラブホテルへと行った事がある。そのラブホテルは、廃墟寸前の佇まいだった。1階のとある部屋の窓ガラスは割られたまま放置されており、このラブホテルは近い将来閉鎖されるのだろうなんて雰囲気が漂っている。ラブホテルの隣には、人が住んでいるのかいないのかも分からない古びた民家が不気味に佇んでいた。そんな不気味さを醸し出すラブホテルに私たちを呼びつけたのは、厚木エレガンスでは名物となっていた初老のM男さんだった。東京の外れにあるSMクラブでもそのM男さんは有名人だったと、私は伝え聞いている。Tさんと言うと、そちらのお店にも通じるネタだと思う。神奈川では有名なM男さんなのだろう。いつもは厚木のラブホテルに入るのだが、この日に限って寒川から呼ばれた。小雨の降る不気味な夜を見計らって、そんな場所に私たちを呼びつけているのだから、怖がらせてやろうと言う意図が見え隠れしていささか興醒めな気持ちにもなる。あまり褒められた演出ではない。実際に薄気味悪く怖さは半端無かった。幹線道路から、少し外れた場所にあったが、近場なので時間を潰す場所は山ほど知っている。私はりゆさんをラブホテルに降ろすと、薄気味悪いのでその場を離れる事にした。時間になって迎えに行き、怖いホテルだったね!なんて話をしながら厚木へ戻っただけの話だが、想像してみて欲しい。小雨が降る冬の夜に、潰れる直前の古びたラブホテルで接客をしているのだ。何気ない派遣型SMクラブの日常の一幕でしかないが、不気味な風景だけが今でも脳に焼き付いている。その後、件の寒川のラブホテルは潰れてしまったのだろうか?二度と呼ばれる事も無かった。
りゆさんと訪れた夜のラブホテルシリーズから、深夜の怪談シリーズは開幕したが、10話は語れるだけのネタを持っている。こんな人の怨念が積み重なっていそうな業界なだけに、怖い話なら山ほどある。ほん怖なんてサブタイトルで話を綴ったが、SMクラブに関わる人間がそもそも人怖である。そんな中でもりゆさんの出張話が3発もあるのにも運命を感じている。私とりゆさんは喧嘩別れはしていないが袂を分つ事となった。思いもよらぬ形での死別だ。エレガンス在籍中にりゆさんにステージ4の癌が見つかり、最後は衰弱してお店に来れなくなった。第二期の初めに最後の電話を貰ったのだが、川崎の国立がんセンターに入院していて脳に転移したと話していた。最後の電話は車中だったのだが渋谷から厚木まで国道246号を走りながら延々と話し込んだ。それが最後の会話だったのだから、延々と話し込むだけの時間があって良かったと今では思っている。出来る事ならもっと話をしていたかった。りゆさんは少し奇人だったので、奇人変人の極みな私との相性は悪く無かったのであろう。エレガンスの前には系列の箱ヘルに在籍していて、その前も系列のピンサロに在籍していた。最後の最後にエレガンスで私とタッグを組む事で、ようやくNo.1として頭角を現したキャストさんだった。問題児で面倒臭い人だと評されていた厄介な人物を再生しまったのだから、私はSMクラブ界の野村克也になった気分でもある。大した話では全くないのだが、当人達に取っては命を燃やした人間関係だった事もまた事実だろう。私が語る怪談話は全て実話で構成されている。着色されていないか?と疑う様な大袈裟な話は一切ない。しかし別れ方が分かれ方だっただけにりゆさんの話は私の中では、既に神格化されている。出来る事ならば星にはなっていて欲しくない。ある日突然、『ちゃんと生存しているよ!奇跡的に回復したの!』なんて連絡が来て、私が死ぬほどビビるなんてイベントが発生して欲しいものだ。『全部読んでるけど、随分と言いたい放題じゃない!』と怒られる方がどれだけ幸せな事だろうかと思っている。不思議ちゃんと不思議体験をした奇妙な実話だが、私の中では本人の存在までもが、どこか本当にあった話なのか夢の中の話なのかの境界線がボケているのも間違いない。時刻はまだてっぺんを過ぎて間もない。今夜は丑三つ時まで眠れそうもない。