【店長コラム】創戯旅団 第117夜 厚木界隈風俗店事件簿
※2025年05月13日12時44分

前回、ラブホテル事件簿から脱線したまま話しを締める展開で中途半端に終わらせてしまいました。それで問題無しと判断して話しを締めたのには理由があります。今回の事件簿はほぼ前回の続きみたいなもんですからね。話しが続くのであれば完全に締める必要も無しかと判断をしたのです。今回はいよいよ厚木の風俗店で起きた殺人事件なんかを語って行こうと思います。元々、胡散臭い身分の人間の集合体が派遣型風俗店です。何も起きない訳がありません。登場人物全員悪みたいな世界で仕事していますから、ほっとくとキャストさんもお客様もスタッフも直ぐに問題を起こしてしまいます。何してんの？って目が丸くなる問題ばかり起きますよ。この15年間をエレガンスで過ごして来て良く理解出来ました。ウチでは殺人事件は起きませんでしたが、今も争いを継続していたりする事もあるのです。そこら辺の内情は全てを解決させないと語れないので、私はまだ真実を語っていませんけれどね。バトルロワイヤルな状況で働き続けているのですから、中には突き抜けて凄まじい問題が起きるものなのですよ。

一発目に語る事件は厚木で起きた惨殺事件です。今から20年以上前の話しです。厚木には違法で無許可の箱ヘルが存在しました。それこそギャルズスタイルのすぐ近くにあったんですよ。あゆみ橋の近くでしたかね。私はそのお店に遊びに行った事はありません。当時は厚木では無く、千葉県に住んでいましたからね。結構な大人気店だったらしいですよ。しかし、その違法箱ヘルでお店が完全に潰れてしまう大事件が起きます。ある日の営業後に、キャストさんと店長さんが帰ろうとお店の駐車場に入った所でナイフを持ったお客様に襲われたらしいのです。これ、どうなってしまったか気になりますよね。店長さんは刺されたものの幸運にも一命を取り留めます。しかし、キャストさんは滅多刺しに会い絶命してしまったらしいのです。即死でした。血がどくどくと出ていたか、血が吹き出していたかの凄惨な殺され方と聞いています。ん？これ、誰か目撃者が居ないとそんな話しは出て来ませんよね。殺人現場に居合わせたなんて経験はありませんので想像も出来ません。その犯行現場の駐車場なんて、ギャルズスタイルから目と鼻の先です。違法風俗店で殺人事件が起きてしまったのですから、そのままお店もお取り潰しです。こうして人気店が一瞬で消え去るとんでもない事態となってしまったのです。犯人はそのまま逃走してしまったので現行犯逮捕は出来ませんでした。さらに逮捕すら出来ずに時効を迎えてしまいました。とはならなかったのです。数年前ですよね。宮ヶ瀬ダムで犯人の死体が見つかったのは。死亡解剖の結果、もう当時に亡くなっていたそうです。キャストさんを殺して、そのまま自分も宮ヶ瀬ダムに落ちて自殺したのでしょう。そんなヘルス嬢に人生狂わされて人生終わらせてしまってどうすんだよ！と思います。色恋は使い方を間違ってしまうとキャストさんが命を落としてしまうのは何も今回が始めてではないでしょうに。何故、お店はやばくなる前にお客様を切って構わないからね！と教えなかったのでしょう。私も近場でこの問題が起きていたのを知っていましたので、自分のお店のキャストさんには、リピ様がやばく育つ前に終わらせて良いからね！自分のお客様だから自分の肌感でお客様の終わりを決めて構わないから！と必ず言っています。そこを指名取れ取れと言ってしまうとキャストさんは盲目になり、お客様の切り時を誤って大変な事態を招くのです。分かります？例え早めに切ったとしても、この手の輩は去り際に暴言を吐きますからね。その様な輩が殺人鬼予備軍なのです。全員が殺人鬼に成長したりはしませんが200人に1人？500人に1人？の逆宝くじに当たってしまわないとも言い切れません。ですから、私は念には念をでお客様の切り時はキャストさんに第一選択権を必ず与えるのです。中にはガッツキ過ぎる傾向のキャストさんもいますので、その時はこちらから警告したりもします。このケースでは、そこら辺の危機管理能力が極端に足りなかったのでしょう。いけいけにお店が成功してしまっている時には、従業員も天狗にもなりますし盲目になります。落とし穴にハマりお店どころか自分の人生まで終わらせてしまっては元も子もありません。師匠のお店も箱ヘルがあったのですが、この違法店から3人以上キャストさんが流れ着いたそうです。皆んな、大声で喘ぐしきっちりとした接客技術を学んでいたそうですよ。人気店でも一瞬で存在が消え去ったりするのですから、風俗とは面白い世界です。ウチだって沈んだり浮いたりを繰り返している状態なので、人ごとではありませんけれどね。

いきなりの事件が強烈過ぎて、これ以上のインパクトある話しは誰も持っていないでしょうね。私は超ベテランなので一つだけ凄い特大ネタを持ってますけれどね。しかし、それを今回披露する事はありません。今年の夏に肝試しスペシャル的な回を集中的にやろうと思っているので、その時にでもお話ししましょう。それこそ今の話しより強烈過ぎるので、今は内緒にしておきましょう。それからウチの壮絶なバトルの数々は、定番ネタになりますので今回はフセておきます。では、折角違法箱ヘル話しから始まりましたので、もう一発違法の箱ヘル話しでも行ってみましょうか。私がピンサロの店長をやっていた頃の話しです。私が店長をやっていたピンサロの1階上は箱ヘルでした。この箱ヘルは老舗です。しかも私の師匠のお店です。違法ではありませんよ。合法です。きっちりと届出を出してますからね。当時ウチが入っているビルの隣りのビルに新しい箱ヘルが出来たのです。これは違法の無許可店でした。何故ならば厚木では現在の風営法になる前から存在している2つのヘルス店しかヘルス営業の許可が出ていないのです。風営法が以前改定になった際に、厚木でヘルスの新店はもう出せなくなってしまったのです。故にそれ以降に立ち上がったヘルス店は全て違法です。そんな違法箱ヘルと戦う事になったのですが、向こうのオープン後はウチも押されていましたし、箱ヘルにも影響が出ていました。さらにウチの場合は3人ほど向こうにキャストさんを抜かれてしまったのが痛かったですね。しかも2人は見た目良かったですからね。1人見た目の微妙なおばさんが見た目の良い若いキャストさん2人をダシにして移籍を果たしてしまったのです。かなり痛手だなと思いましたが、私もイケイケで負けず嫌いが全面に出るタイプでした。『あんな違法ヘルスに移籍する意味が俺には理解出来ん！捕まったらどうすんのよ！一瞬で人生が台無しになるじゃん！』とか言ってましたね。それが嫌な予感は9割当たるのです。ある日に私が呑気に朝からパチスロを打ってから出勤したら、既にそのヘルス店は摘発されていてその日以降お店が開く事はありませんでした。聞いた話しになりますが、沢山の警察官がバスに乗ってお店のビルの前に来てそのままお店に突入したそうです。そして営業を中断させてスタッフ、キャスト、お客の全てをバスに乗せて去って行ったそうです。その中にウチから行った3人が含まれていたかは定かではありません。しかし、その後に路頭に迷った3人はデニーズを拠点に出会い系をやって直引きをしていたなんて話しを聞いてしまったもんですから切ない思いをしましたね。先程も言いましたが、2人はちょっとピンサロには普通は居ないくらいの美人だったのです。変な女に美人なんだから、ピンサロに居るのは勿体無いわよぐらいに唆されたのでしょう。それが直引きするまでに落ちてしまうのですよ。これが本番営業の成れの果てなら、本番なんかやらない方が幸せに決まってるじゃないですか。結果、その後にウチのお店は超絶にバズってしまい半端無くお客様が入るお店になってしまったのですから、彼女達の移籍は裏目に出てしまったのです。大体は人なんて分岐の判断を9割外してしまうものなんですよ。上手く行くのは僅かに1割だけです。私みたいなお馬鹿でも同じですよ。じっくりと一箇所で粘らないとババを引かされるだろうなと思っています。今回のキャストさんの移動は失敗パターンだったでしょう。因みにこの違法箱ヘルにガサ入れが入った理由はスタッフが薬物をやっているとタレコミがあったかららしいです。その違法ヘルス店を恨んでる店は沢山あったでしょうからね。ウチなんかは多少お客様が違法店に流れようが痛くも痒くもありませんでしたので気にしていませんでした。しかし、普段から少ないお客様で回しながら生きていたピンサロなんかは目の上のタンコブだったのでしょう。ん？この頃は私は余裕ありましたよね。お客様第一の営業を心掛けていましたので、お店は人気ありましたからね。やっぱり私の判断に迷いが出ているのは、女王様の営業を本格的に始めてからですよ。きっちりお客様第一の営業を全面に押し出していたのは玲子さんだけですよね。辛うじてKさんも合格点としましょう。しかし、他の女王様にお客様をおもてなしする気持ちはさほどもありませんでしたよね。私はお客様とキャストさんの間に挟まれながらひたすらに苦労していました。第三期はお客様完全ファーストなおもてなし営業に戻します。私も初心を忘れない様に頑張りましょう。

さて、次の事件は少し小休止です。私がピンサロの店長をやっていた時の話しです。私の下にI君と云うスタッフさんが居ました。このI君がやらかしてしまったお話しでお茶を濁しましょう。ある日の夕方にI君の他にもS君なる太った若い子も働いていたのですがS君が出勤して来た早々にこんな事を言いました。『今、I君が出勤をして来たんですけど、サイレンを鳴らしたパトカーを引き連れて出勤して来て、それでもウチの駐車場まで出勤して来たんですよ。でも、車を停めたから、当然捕まったんですよね。そこを2人の警官が取り押さえてましたよ。何か捕獲された小さな宇宙人みたいになってました。』と笑いながら言うのです。笑いながら言う事か？とも思ったのですが、そのシチュエーションを想像出来てしまい、私も笑ってしまいました。しかも、ゴネていたみたいなので公務執行妨害で逮捕されたら大変だなと心配していました。しかし、私が出て行って何かが解決する問題でもありません。しばらくするとI君が青切符を手に持って出勤して来たので一安心でしたね。しかし、このI君が色々とやらかしてくれましたので、今後のコラムでもそのお笑いネタを紹介して行こうと思います。

最後も一連の話しの流れに合わせて違法ヘルスの話しです。厚木の話しでは無いのですが、30代のある年に悪友S君と上野でスロットを打って遊んでいた事がありまして、その帰りに秋葉原で電化製品を見て行こうとなんて事になったんですよ。まだ明るい時間にスロットも打たずに街ぶらしているとなると2人して大負けして早めの撤収をしていたのです。普通そんな事は、私達の旅打ちではほぼ無いのですよ。大体は私か悪友S君が勝負に夢中になっているので、結局は勝負の終わりは夜になるのが私達の旅打ちなのです。それが、早めから街をぶらつけるのですから、珍しく小まめに街を探索していました。場所が秋葉原ですから、田舎者の私達は『お～！これがメイド喫茶か～！』とか、本当に恥ずかしい田舎モンみたいになってましたよ。でも、メイド喫茶は行かなかったんですよ。だって、そんな所に入ってでれでれしてるのを友人に見られるのは流石に恥ずかしいじゃないですか？悪友S君は行ってみる？とか言っちゃってます。【つづく】

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