2025-07-13 22:44うんちと肥料

水素の農業畜産展開の相談で、今回の目標値を達成しました〜
事前に農薬関係の法律や市場課題、他者の展開事例をリサーチしておいて良かった………
さて。
日本といえば農薬大国。
化学肥料が使われ、非常によろしくないと言われがちです。
実際に水素以外の肥料でも、「化学薬品使ってないので安全です!」と喧伝している事例はたくさんあります。
最近ではうんちが肥料として脚光を浴びておりますが(当社比)、エコロジカルだからといっていいわけではありません。
今回は、うんちと肥料のお話し。
かつて、世界中でうんちが肥料として使われてきました。
実際に江戸時代でもうんちを買い取る業者がおり、かなりの経済規模だったと考えられています。
しかも、富裕層のうんちは日頃から良い食生活をしていたことから、高級うんちとして買い取られていました。
たしかに古代ローマ時代でもスペイン人のおしっこは高級品だったので、高級うんちの概念はあるでしょうね。
うんちすら再利用する、超リサイクル時代。
江戸。
しかし、果たして本当にうんちの肥料活用は良かったのでしょうか?
うんちから作られた肥料のことを、下肥と呼びます。
下肥が禁止されたのは1945年。
日本の敗戦に伴い、マッカーサー率いるGHQによって禁止されました。
その後もこの1955年ごろまで下肥が使われ続けましたが、化学肥料や農薬の発達とともに段々と使われなくなりました。
では、戦後数十年のお野菜は、本当に栄養価かが高かったのでしょうか?
野菜の栄養価に関しては、現在と昭和とでは検査方法が異なるので何ともいえません。
しかし、1955年ごろの小学校では、ポスターに「野菜は生で食べないようにしましょう!」と書かれていたそうです。
何故か?
それは寄生虫問題と密接に関わっています。
そもそも、下肥が禁止された背景には、欧米で19世紀から進められた衛生制度の発達が一つあります。
上下水道の整備などもそうですが、下肥の規制もその一つです。
というのも下肥はどうしても寄生虫やハエなどの害虫の温床になりやすく、うんち由来の病気が絶たなかったからです。
実際にGHQに提供されたサラダには寄生虫が混入していたため、直ちに禁止命令が下されました。
また、戦中は特に下肥への依存によって、寄生虫保有率が、1943年は約40%、1949年には70%まで上昇していたとされています。
一見するとうんちは肥料として万能に見えますが、その分リスクも高いんですよね。
近年では江戸時代のうんちすらもリサイクルしていた、リサイクル信仰なるものを見かけることが多々あります。
しかし、一方で疫病の歴史が見落とされてるケースが多いです。
日本の寄生虫による病気が減ったのは、間違いなく農薬や化学肥料の発達によるもの。
世界的にも類を見ない衛生大国になったのは、化学の恩恵によるものです。
確かに、農薬=危険、オーガニック=安全のように聞こえるかもしれません。
しかし一度立ち止まって、「下肥って寄生虫リスクあるだよな」とか「小麦は農薬使わないとかえってカビリスクがある」と言ってたなと、思い出してくれたら幸いです