2024-05-23 11:175月21日
Hさん
軀にこもっていた歪んだ燻りを平定させた後、また日常へ戻る為に何か支えになる物が欲しいと、自ら用立てた貞操帯を差し出して来た。
手に取ると、ずっしりと重い。
粗末な局部に付けるには、大仰な鎖だと思った。
貴方なりの強固な意思の表れなのだろう。
そう思えば、色んな意味を含んだ重っ苦しいこの感じも、そんなに悪くはない気がした。
振り返り、ポケットの中の鍵を握りながら見送った貴方の背中は、飼い犬としての自信に満ち溢れているように見えた。
Sさん
めくるめく、という言葉がこんなにもイメージし易い人も居るのだと、貴方を見て思った。
川面を泳ぐ蛇のように、その軀はシーツ上で蛇行の如くうねらせ、愛おしい程によがり狂う。
低く、少しくぐもった呻き声が鼓膜に差し込む度に、指先は滾り、貴方の奥深くにねじ込んで快楽を貪り尽くしたい衝動を抑え切れなかった。