2024-04-09 16:314月6日
Mさん
縄が軀を絞める度、呼吸と脈は徐々に纏まりを無くし始めた。
私には一瞥もくれないほど羞恥心に乗っ取られていたが、それでも感情は素直で、下腹部が甘く痺れるのを感じると、軀をくの字に曲げて悦んだ。
最奥を穿つ毎に突き抜ける、えも言われぬ感情。
指一本が入るのも厳しい強い麻縄の抱擁が理性を停止させる。
血の流れや動作を止められても、頭の中の妄想は止まるどころか暴走を起こし、絶頂の狭間を何度も行き来していた。
反射的に漏れ出る貴方の声は、妙に脳内をそそのかされた。
Hさん
風雅の趣をまるで無視した醜悪な面相。
顔中の穴という穴を弄ばれ、それぞれの穴から愛液を垂れ流していた。
だらし無く開げられた咽喉と鼻腔は、顔面の性器と呼ぶに相応しい淫らな反応を魅せてくれる。
好き勝手に、ネチネチと虐められる指や道具を、湿り気を帯びた呼気と愛液が思う存分濡らす頃には、副反応から漏れた精が、貴方の腹の上で生暖かい膜を張り、ぬらぬらと艶めいていた。
Nさん
サクラサク。
生命の限りを尽くして咲き誇る桜花は、貴方の新たな門出を祝うかのように、空高く舞い上がらせた花弁を、頭上に振り散らしていた。
勿論、実際に木があったわけではない。
輝かしい未来を背にした貴方を、少なからず私の目はそう捉えていた。
なのに、これから築こうとする未来への貴重な学び時間が、身を滅ぼす蛮行に費やされている。
宙吊りの軀が、黒い梁の下を往復する度、知性が奪われている気がした。
未来に背き、背徳の中で狂乱する間は、誰よりも幸福な二人に違いなかった。
積年の思い叶い、心より満たされた事に感謝。
ほんと、いい子。
差し入れありがとう。