2024-03-18 19:493月16日
Kさん
馬の代わりに厳しい鞭を受け続ける。
鞭の穂先が迸る度、身を裂くような衝撃に震駭し、バランスを崩し掛けては落馬する恐怖に再び身を震わせる。
苦痛が軀中を駆け巡る中、回らないメリーゴーランドから見える景色は、真正面の鏡に映る己の姿と、背後で鞭を振う私の姿。
鏡越しに臨む危機は、対峙した時よりずっと肝を冷やしたに違いないし、興奮もより昂っただろう。
だって、鏡越しに見えた貴方の顔にあてられた私も、酷く興奮したからだ。
Nさん
唾を付けておく、とはよく言ったものだ。
所有物の証として、他の誰にも触れさせないようマーキングをする行為は、個に示す分、動物の縄張りを表すマーキングよりも強い執着を感じる。
現に、軀の一部どころか至る場所に体液を施し、塗りたくるだけでは心許ないと、何重にも重ね塗りをし、手や靴裏ですり込み、パラフィンパックや体重を乗せ圧迫したりと、執拗に塗り愛でた。
しつこく責め立てるのはいつもの事だが、あの日は特にそうだった。
足元を乱反射する怪しげな光と、灰皿の中で燻るマッチ棒から漂う香の匂いが、私達を駆り立て、唆していたような気がした。
差し入れとプレゼントありがとう。
喜びのあまり、写真を撮り忘れてしまいました。
貴方を添えた一枚は次回の愉しみに、ね。